水槽でサンゴと海水魚を一緒に飼育する前に注意すべき事
もくじ
サンゴは水質がよければ飼育できる・・・ではありません。
なかにはサンゴをパクパクと食べてしまう海水魚もいます。
美しい南国のような水槽をイメージして、せっかく高価なサンゴを購入しても
海水魚に食べられては本末転倒という事になります。
特にサンゴを好んで食べてしまう海水魚の種類
海水魚は植物性の餌を好む種、動物性の餌を好む種(活き餌がメインの種なども)、雑食性の餌を好む種類が存在します。
その中でも最も知っておきたい「サンゴのポリプ」を突いてしまう、もしくは食べてしまう種類をご紹介します。
チョウチョウウオ類
チョウチョウウオのほとんどの種は、サンゴ全般を食べてしまいます。
サンゴ飼育という意味では、チョウチョウウオのいる水槽にはサンゴを入れないほうがいいでしょう。
大型ヤッコ類、中型ヤッコ類
大型ヤッコと中型ヤッコは、LPSやウミアザミなどの軟らかいソフトコーラルを、特に好んで食べてしまいます。
ミドリイシなどは、あまり食べないので組み合わせるならSPSがお勧めです。
小型ヤッコ
小型のヤッコは、種類によってはサンゴを好んで食べてしまいます。
ソメワケヤッコやヘラルドヤッコ、レモンピールやナメラヤッコ、アブラヤッコなどは特にLPSを好んで食べてしまいます。
しかしながら海水魚がサンゴを食べてしまうのは、自然の海の中では当然の営みです。
自然下では、サンゴは海水魚の隠れ家にもなり、またある種の海水魚にとってはエサにもなっています。
水槽でサンゴを飼育する場合、サンゴと海水魚の共生を目指すので、なるべくサンゴにダメージを与えにくい海水魚を選ぶ事になります。
サンゴの種類によっても違う
一口にサンゴといっても3つに大きく分けられます。
・ウミキノコやトサカサンゴ、ディスクコーラル、スターポリプなどのソフトコーラル類
・ナガレハナサンゴやオオバナサンゴ、ハナガササンゴなどのLPS類
・ミドリイシやコモンサンゴなどのSPS類
それぞれ適した海水魚、適さない海水魚が存在します。
海水魚とソフトコーラル類、LPS類、SPS類による相性
チョウチョウウオ、ヤッコ等がサンゴとの飼育は絶対に出来ないという訳ではありません。
個体差があるのはもちろん、水槽のサイズや投入のタイミング、サンゴや海水魚との組合せ、給餌の条件等によって
上手に飼育されているアクアリストも存在します。
サンゴとチョウチョウウオの相性
全般的に適していないのが、チョウチョウウオの仲間です。
これらは基本的にはどんなサンゴでも食べてしまいます。
しかし、ハシナガチョウチョウウオやカリビアンストロングスナウトといった、口の長い種類はサンゴを食べてしまうことが少なく、組み合わせられる可能性があります。
大型ヤッコ、中型ヤッコとサンゴの相性
大型ヤッコや中型ヤッコはLPSやウミアザミなどの柔らかいソフトコーラルを食害してしまう可能性が高い為、サンゴと組み合わせるのならミドリイシなどのSPS中心の方がいいでしょう。
小型ヤッコとサンゴの相性
小型ヤッコは人気が高いですが、種類とサンゴによっては、混泳の組み合わせが変わってきます。
小型ヤッコに最も食べられやすいのはLPS類で、小型ヤッコの種類によっては好んで食べられてしまいます。
よって、小型ヤッコはソフトコーラルやSPSとの組み合わせが推奨されます。
小型ヤッコの種類としては、ルリヤッコやアカハラヤッコ、フレームエンゼルやマルチカラー、アフリカンフレームバックといっや種類は比較的サンゴを食べないので組み合わせがしやすいです。
ソメワケヤッコやレモンピール、ナメラヤッコやヘラルドヤッコ、アブラヤッコなどは特にLPSを好んで食べてしまう食性を持っています。
サンゴと海水魚を一緒に飼育する場合のまとめ
中には、サンゴを食べることはしませんが、その性質から影響を与えてしまう海水魚も存在します。
サンゴに全く影響の無い海水魚を選択して入れるとなると、小型底性ハゼや遊泳性ハゼ、ハナダイやバスレット類などといった種類になるでしょう。
ヤッコとサンゴを組み合わせたいのなら、多少はサンゴをつつくぐらいは大目に見るといった、ある程度の妥協が必要なります。
ミドリイシやコモンサンゴが良く成長するような環境をつくり、多少は食べられても大丈夫な環境を整え、チョウチョウウオを一緒に飼育するといった方法もあります。
サンゴ水槽での混泳をどのようにするかは、各アクアリストによる判断によって、大きく変わってきます。
その為、この辺りはアクアリストのセンスや技量の見せ所といえるでしょう。
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