カクレクマノミ雑学。これであなたもクマノミ博士
もくじ
体色は鮮やかなオレンジ色に三本の白いラインが発色していて、尾びれや背びれ腹びれには
縁取られたようにくっきりと黒く発色して、愛嬌のある丸々とした体系に目を引きます。
カクレクマノミは泳ぎ方にも特徴があり、体を上下にクネクネとひねりながら泳ぐ「ワッキング」と呼ばれる面白い泳ぎ方をするのも人気の高い理由の一つです。
オスがメスになる!?カクレクマノミの性転換
カクレクマノミは性転換する独自の特徴もがあります。生まれてきた個体は全てオスで生まれ成長し成魚になると大きい個体がメスになり小さい個体がオスになります。
カクレクマノミは群れで行動をし、その中で一番大きい個体がメスになり二番目に大きい個体がオスになり、この二匹がペアになると他のカクレクマノミ達はオスにもメスにもならず繁殖行動もしません。
ペアになった相手のメスの死後、オスが性転換し他のオスとペアになります。
このように最初にオス、次にメスに性転換することを「雄性成熟」といいます。
カクレクマノミは何故イソギンチャクに刺されないのか?
イソギンチャクは刺胞毒という毒をもっておりクマノミ以外の魚が触手に触れると毒をもつ刺胞で麻痺をさせて食べてしまいます。
なぜクマノミは触れても大丈夫なのか?
それは、カクレクマノミの体表はイソギンチャクと同じ成分の粘液を出すことで刺胞毒に反応しない体になっていると言われてきました。
2015年、クマノミがイソギンチャクに刺されない謎を、愛媛県の女子高校生が解明しました。
この謎についての論文を書いた重松夏帆(しげまつなつほ)さんと山本歩美(やまもとあゆみ)さんのお二人。
在学していた愛媛県大洲市の長浜高校「水族館部」の研究班員として活動していた際の発表です。
その「水族館部」では、1000匹以上ものカクレクマノミを飼育しています。
お二人の先輩が行った実験で、異った液体をつけた指でイソギンチャクに触れた時に、“刺される指とそうでない指があった”という経験に基づいて、更にそれを研究する結果となります。
過去に先輩達が行った実験で、カクレクマノミ(その他クマノミ類も含めて)が体表から出すタンパク質の粘液が関係している事までは判っていたといいます。
そこから二人は更に実験を行います。海水がどのようなコンディションの際にイソギンチャクが刺胞毒を含んだ針を出すのか。イソギンチャクの触手をさまざまな成分の溶液に浸し、顕微鏡で観察を行います。
その結果、海水中に多く含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンが関係しているという仮説を立てて実験を行い、“マグネシウムの濃度が飼育している海水より低い場合に刺胞毒が出る”という発見をしました。
その結果から、カクレクマノミの体表の粘膜を調べると、マグネシウムの濃度が飼育している海水より濃く、スズメダイの約10倍のマグネシウムを含んだ粘液を纏(まと)っている事が判明しました。
この二人の研究で明らかになったこの詳細な刺胞の働きは、実は初めての事でした。
その研究に助言を行っていた愛媛大学の教授は「すぐにでも学術論文として発表できるレベル」だと賞賛し、高く評価された論文は「第58回日本学生科学賞高校の部」で最も優秀な内閣総理大臣賞を受賞しました。
意外にも最近になって発見されたメカニズムだったのですね。
共生について
共生とは全く無関係である生物同士が共に生活をしている事を言います。
“両方にメリットがある場合”と“片方だけにしかメリットがない場合”があり、片方にはデメリットになってしまうケースも中にはあります。カクレクマノミとイソギンチャクの共生は、双方にメリットがあって見ていて癒されるケースと言えますね。
カクレクマノミがイソギンチャクと共生するメリット
カクレクマノミはハタゴイソギンチャクやセンジュイソギンチャクを好んで住処にします。
イソギンチャクは餌を捕ったり自分の身を守るために、体表にある触手から「刺胞毒」という毒を持った小さな針を出します。素手でイソギンチャクの触手に触れないようにしなければ、イソギンチャクの刺胞毒で私達人間の手は刺胞毒によって赤くなったり、刺された跡がつきますのでくれぐれも手袋を装着するなどの工夫が必要です。特にハタゴイソギンチャクやイボハタゴイソギンチャクの刺胞毒は強く、手に貼り付いたらなかなか取れないほどです。
カクレクマノミはイソギンチャクと共生することで大型魚などの天敵から身を
守っています。、またイソギンチャクにもカクレクマノミと共生することでメリットがあります。
イソギンチャクは動きがすごく遅い分行動範囲が狭いためカクレクマノミが
変わりに餌を運んでくれます。またイソギンチャクの排泄物なども遠くまで運び常に綺麗な状態に掃除してくれます。そしてカクレクマノミがイソギンチャク内で動き回ることでイソギンチャクの触手のマッサージにもなりイソギンチャクがリラックスすることが出来ると言われています。
クマノミの仲間は全ての種がイソギンチャクと共生し、種類によって好むイソギンチャクの種類も変わってきます。
カクレクマノミが最も好むイソギンチャクは「ハタゴイソギンチャク」や「センジュイソギンチャク」で、自然界ではハタゴイソギンチャクと良く共生していて一株に6~10匹くらいがまとまって住んでいます。
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